鬱屈、妄言過去のもの。いわゆる普通に価値あります

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[ちーちゃんはちょっと足りない ]をよんで

ちーちゃんはちょっと足りない (少年チャンピオン・コミックスエクストラもっと!)


私は電子書籍が好きで,上のタイトルの漫画を買って読みました.
Booklive!で今年2014年売れた少女漫画ということも有り興味を持ち読みましたが成るほど確かに面白い.

あらすじ的に言うと序盤では頭の悪い中学3年のちーちゃんと友人(ナツ),その友達らの日常系かと思えば,クラスメートの窃盗関連で問題が起こり,ナツの心理描写で後半は終始するというもの.

もともと作者の阿部共実さんの[空が灰色だから]を少し読み,かなり負の内面を描写することを知っていたことが有り購入した本作品であり,やはり後半にそういったドロドロとした話を持ってきていた天において私としてはかなり満足した.

私事ではあるが中高でさえないスクールライフを過ごした私としてはなかなか共感を持てるところもあるし,一方でここまで,特に人間関係で苦悩した経験もないと感じた.

以下にそのナツの思考で共感できた点とできなかった点について語りたい.

自身が思うとことでは,中高といった人付き合いを行うことをどこか途中で放棄したフシがある.そういった点では本作品ほど人間関係で苦悩した経験が少なく,共感できないもしくはしがたいと考える.
人付き合いを行うことをどこか途中で放棄したことは,よく言えば孤高に,悪く言えばボッチとして過ごしてきたわけでなく,組織としての役回りや時として中心と成るよな立場になりつつも,決してその過程で親友と成るような,なんでも話せる友人はできなかったのである.

これはナツと共感できた,”私なんて他人に求められていない,であったり私はつまらない人間である”と考えるが故の行動でも合ったように思える.

一方で私とナツの大きな違いは,自分はつまらないと考える思考の末,それでも友達とつながっていたいかどうかが異なっていると考える.

そう思うからこそナツは人間関係を修復したいもしくは自己を承認されたいといった欲望が芽生えるのであって,さらに言えばそこから自己嫌悪が加速するともとれる.

このようなナツの考えは理解できるところもあるが一定で線引してきて人付き合いを否定した私のように,”実に不毛である”と考えたらもっと楽になれたのにと考える.

実社会に合わせて見ると,
中高といった極めて小規模なコミュニティはそれ自体がその住人の生きる世界全てであり,その世界から少しでも外れた(例えば貧乏である,容姿がブサイクである)とったことだけでいじめの対象になったり自殺願望すら芽生える空間なのだと再認識させられた.


そんなひどい空間を抜けだして生きるという事は中高生といった若者には極めて困難である.というか不登校でもしない限り不可能であろう.私の恵まれていた点は自身の家庭が大変許容してくれたことが大きいと考える.

ナツの自宅は一人っ子で家系が恵まれておらず自宅に独りになることが多い.そんな,自宅ですら孤独となってしまうのは辛いのではないか.

漫画の終わりはちーちゃん,ナツの共同の団地ではなく一軒家の前で二人が歩いているシーンで終わる.二人は共通の団地に住んでいるという設定があるにもかかわらずどうしてだろう.